最近話題の『リベンジ退職』。
あの時は何も思わなかったが、今考えると「一応コレもかな」と思い出した話しの続編。
どっちかと言われるとリベンジよりパワハラ案件か…。
実際の話③-1:電子カルテ導入の裏側で(Aさん退職まで)
電子カルテ導入からAさん退職まで
電子カルテ導入チームの結成
- 我が病院にも電子カルテ導入の波がやってきた。
- 電子カルテ導入に伴い『導入チーム』が結成。
- リーダーを任されたのは、以前勤めていた病院で電子カルテを使用していた看護師Aさん。経験者だけあってシステム業者との打ち合わせも順調。
- 我々はメンバーではなかったので、たまに差し入れを持って応援。
すでに問題は起こっていた
- 導入チームの中に電子カルテ経験者はAさんのみ。
- Aさんは責任感が強く、人に仕事を頼むのが苦手。
- マスタ作成はAさんがほぼ1人で行っていた。残りのメンバーが何をしていたかは不明。通常業務終了後(残業として)に作業していた。
- 他のメンバーが早々に帰っていく中、AさんとPTさんだけが残って作業していた。
ついに問題発生。Aさん突然の退職
- 電子カルテ導入中、Aさん突然の退職。電子カルテ導入は暗礁に乗り上げる。
- 残ったメンバーはAさん任せだった為、Aさんがいないチームは何もできない。進まない。
- 「Aさんが1人で作業していたから、自分達には分からない」と責任放棄&責任転嫁の嵐。
- Aさんに責任をなすりつける事に必死のメンバー達。電子カルテ導入は一旦保留となる。

Aさんが全然説明してくれなかったので私達には分かりません。私達も被害者です。

言っても理解してくれない、協力してくれないってAさん言ってたぞ。
Aさんの退職理由
- 仲の良かった我々は突然の退職理由を聞きにAさん宅へ。
- Aさんの子供には持病があり、容体が悪化し入院。
- 電子カルテ導入も大事である事は重々分かっているが、家族はもっと大切(当たり前だ)。マスタ作成の残業の為、家族との時間がとれない。
- 他のメンバーにも事情を説明して作業の分担をお願いするが…。

ここまで1人でやってて急に分担とか意味わからない。

リーダーが家族優先とかダメでしょ。仕事なんだから。

そもそも私、パソコン苦手なので無理です。
- 最初から他人任せ感の強いメンバーだった為、Aさんも「途中からメンバーには期待していなかった」との事。
- 退職の一番の決定要因は…

家族が大事なのも分かるけど、今は電子カルテを優先して。仕事なんだから仕方ないでしょ。社会人なんだから、それぐらい分かるでしょ?旦那さんに子供を任せたら?別に母親が世話しないとダメなんていう決まりはないでしょ?
ここでAさんの怒りがピークに達した。理由を聞きながら「マジか…」しか感想が出てこなかった。

このAさんの病棟師長には俺らも手を焼いたよな。在宅部門のトップの嫁という立場でやりたい放題やったもんな。最後は不倫で自滅したけど。

料理人の旦那さんの飯は旨かったけど、この時のブラックAさんは怖かったな。普段から「この人、怒る事あるのかな?」って人が激おこぷんぷん丸やったもんな。あの時は麻婆豆腐の辛さを感じなかったわ。サウナかってくらい汗はダラダラ出てたけど。
実際の話③-2:電子カルテ導入の裏側(再始動)

電子カルテ導入チーム再始動
- 我々2人はAさんへの申し訳なさから導入チームに立候補。
- 手始めに第一次チームは解散。責任をなすり付け合うような奴らは我がチームには不要。唯一PTさんだけは継続を依頼。了承して下さった。
- パソコン関係に強い友人2人をアルバイト枠でねじ込む。2人の内1人はシステムエンジニアとして自身の会社を起業したばかり。2人とも滅多にない機会だと承諾してくれた。
- 経営陣相手にアルバイト枠の設定と、友人を雇う事を説得するのは骨が折れるかと思ったが、意外とあっさり承認された。経営陣もAさんへの後ろめたさがあった。(後からAさんに聞いた話だが、院長と看護部長が土下座する勢いで謝ってくれたとの事)
- Aさんとも情報共有をしながら最初からやり直す。Aさんも最初は「電子カルテがどうなろうが、病院がどうなろうが知らん。私にはもう関係ない」と怒っていたが、我々が導入チームに入る事を条件に協力をしてくれた。
- チームを外されたメンバーからは陰口&嫌味全開のプレゼントを毎日頂いたが、フル無視。足を引っ張る奴は、どこまでも引っ張りに来る。暇人どもめ。
電子カルテ導入の問題点:病院側
- 徹底したコストカットの為、業者と対面でのサポート回数が決められている。確か4回だったはず(すでに2回は使用済)。ZOOMでは対応してくれる。
- コストカットの影響が一番大きかったのはマスタが作成されてない事。「どこの精神科病院?」と問いたくなるようなシステムがデフォルトだった。課金すれば当院に合ったマスタ原本を作成してくれるが、課金額は馬鹿にならない。業者に払う金額より残業代払う方がコストが安く済むという病院の計算。
- 部署ごとにマスタ案の確認をお願いするが、思った以上に電子カルテ移行に反対派の人間が多く作業が進まない。
- 何より最初の人選(第1次チーム)を間違った事。

アレって絶対、どっかの精神科病棟のやつよな?病名欄に精神疾患しかなかったしな。

相当システム業者に無理言ったんやろ。馬鹿みたいに値切るからこんな事になるねん。
電子カルテ導入の問題点:我々側
- 我々2人のITリテラシーが雑魚。「ドメイン?何それ?」「プロバイダー?はぁ?」「サーバーの配置場所?そんなんどこでもええやん」のレベル。まさにゴミレベル。
そんなこんなで奮闘する事、約2カ月。アルバイト枠の友人のおかげでシステム自体は結構早めに完成していた。
一番時間がかかったのが看護診断と看護計画の入力。疾患ごとの観察項目の紐づけ。さすがにこれは医療者でない友人には頼めない。業者に金さえ払えばデータをくれるが、病院は当然コストカット。
休日も返上で時間外労働。残業時間は100時間/月を余裕で超えた。

あの時はヤバかったな。最後の方なんか、頭おかしくなってたしな。ノンアル片手にホタテバター摘まみながら作業してたよな。

さらにAKBの映像を大音量で流してたしな。流し過ぎてチーム全員が踊れるようになってたのは面白かったな。しかし謎なのが、DVDの持ち主が最後まで不明やったよな?あのDVD、誰のやったんやろ?

さぁな。それにしても、データ入力してるか踊ってるかの2択やったもんな。皆、相当疲れておかしくなってたな。
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