挨拶と笑顔：軽視してはいけない。これが全ての始まり。

当苑の介護職員不足は深刻だ。人事異動で配置を整備しようにも人がいない。どこのフロアも介護職員不足。今に始まった事ではないが…。来年の今頃は外国人労働者が活躍しているだろうな。しかし、今や外国人労働者も取り合いだとか。採用しようにも活躍してくれる外国人労働者が残っていてくれれば良いが…。そろそろデッドラインか。

人員不足の解決策として…

業務改善には短期的な効果しかない

人員不足の現状でまず取り組みだすのが業務改善。少ない人数で業務を回す為に無駄を洗い出す。短期的には効果はある。切羽詰まって考え直すと、意外と無駄な業務はあるものだ。必要性は不明だが昔からやっている事は一つ二つは必ずある。皆、それに気づいているがピンチにならない限り異論は唱えない。なので、意味不明な古い慣習を削減するのは簡単だ。

その他、ギリギリまで業務の質を落とす。緊急事態で仕方がないを理由に、最低限の業務のみを残し他を削減する。妥当な所だろう。しかし、落とし穴は意外なところにある。業務削減して空いた時間が出来たとして、スタッフは何をするか？

パーキンソンの法則

答えは『誰も何もしない』だ。無駄な業務を削り、必要な業務もギリギリまで削る。少しは時間に余裕が出来るはずだ。いや、時間は出来る。フリーになった時間を何かプラスの事に使えると考えている上司は多い。しかし、実際にはそのフリーになった時間は自然消滅する。

慣れるからだ。その業務削減された環境に。まさにパーキンソンの法則。

パーキンソンの法則（パーキンソンのほうそく、英語: Parkinson’s law）とは、ある資源に対する需要は、その資源が入手可能な量まで膨張するという法則である。つまり、人員が増えたことによる「一人ごとの仕事量の減少」が労働時間の減少にはつながらないこと、時間やお金といった「あらゆる資源」を人間はあればあるだけ使ってしまうこと。

パーキンソンの法則：ウィキペディアより引用

人間は変化を怖れる生き物。にも関わらず、新しい事へのチャレンジに対しては躊躇するのに、楽な方には短時間で適応する。つまり人員不足での業務削除は短期間の効果しかない。根本である人員不足が解消されていない為、環境に慣れれば同じ状況の繰り返しとなる。

ならば、どうするか。俺の答えはこうだ。

なにより優先するべき事

『挨拶と笑顔』。今一度、基本に立ち返ろう。

人員不足の職場ってのは、だいたいがギクシャクしている。口を開けば不満ばかり。そして「職員がいない過酷な中、私たちは頑張っている」と被害者意識で過ごしている事が多い。過酷な状況を変えようと奮闘する職員も少ないだろう。何をするのも『人員不足』の壁が立ちふさがる。

次第に『自分の仕事を終える事』を優先するようになるだろう。「本来、チームプレイが望ましいのだが、一人で自分の仕事をこなす方が速いし楽だ。ストレスも少ない。人は人、自分は自分。協力しようにも人がいないし、合わせる時間もない。なら、一人でやる方が効率的だ」と。そしてコミュニケーションが希薄になるし、他人が暇そうに見えると不満が募る。その結果、本来は協力して乗り越えなければならない状況なのに、個人プレーが横行する。協力する気が無くなる。

だからこその笑顔と挨拶だ。普通に考えてほしい。挨拶もしない奴と仲良くできるか？挨拶もしない奴と協力できるか？仕事を任せられるか？信用できるか？

いつも不機嫌な奴と一緒に仕事して楽しいか？そんな奴に関わろうと思うか？

だからこその笑顔で大きな声で挨拶だ。笑っていれば楽しくなるものだ。挨拶されて嫌な気になる奴は少ないだろう。業務改善や業務削減は根本的な解決にならない。解決する為には団結力が必須。

挨拶はコスパが最強

挨拶の何がいいって、コスパが最強な事。労力もかからない、特別なスキルもいらない。なのに効果は抜群。まさに最強。いやいや、こんな状況で楽しく過ごせるはずがないという気持ちも分かる。しかし、それは誤解している。

人間は行動が先。感情は後。

人は楽しいから笑うのではない。笑うから楽しくなるのだ。

人は悲しいから泣くのではない。泣くから悲しくなるのだ。

多くの人は誤解している。感情の後に行動があると。真実は逆。行動によって感情が作り出される。行動が大事。挨拶と笑顔がコスパ最強なのもこの行動のしやすさにある。

行動が先。感情が後なのだ。

あなたが始めろ

環境というものは簡単には変わらない。変わるのを待つよりも自分で変える方が現実的だ。だからこそ、あなたが一番に始めろ。必ず誰かは付いてくる。必ず理解する人はいる。時間はかかるだろうが、誰かが始めるのを待つのなら、とっととアナタが始めればよい。