いや~、参った参った。老健でまさかのクラスターですよ。毎日感染者が増えて、そして職員が減っていく。緊急事態?非常事態?想定外?予想外?どう表現するか迷う事態ですな。
概要
- 夜間に発熱症状の利用者。周辺施設でも新型コロナが流行っているとの事もあり抗原検査施行。バッチリ陽性を確認。
- 接触頻度の高い複数の利用者をスクリーニング。無症状の陽性者を複数人確認。
- 施設BCPにそって感染対策開始。
- 陽性者の中には徘徊症状の強い利用者もいた為、念のため全部屋に対し居室隔離。
- 翌日から利用者全員に抗原検査とPCR。複数の陽性者を確認。
- 感染拡大が止まらない。スタッフも次々に感染発覚。
- 最終的に利用者半数、フロア職員も約半数が感染するクラスター。

ヤバい事になっているのは聞いてたが…。予想以上だな。

徘徊利用者が感染していたのが痛かったな。色んな部屋入りまくってたからな。制止したら暴れ出すし、理解力も皆無だったからな。初っ端にこの利用者が陽性と聞いて「あ、これは…終わったな…」が正直な感想やったわ。
施設での感染対策の課題
1. 利用者の特性による課題
- 免疫力の低下: 高齢者は加齢に伴い免疫力が低下しているため、感染症にかかりやすく重症化しやすい。
- 認知機能の低下: 認知症の利用者など手洗いやマスク着用といった基本的な感染対策の実施が困難。
- 集団生活: 共同生活の場であるため、一度感染症が発生すると短期間で広範囲に感染が拡大するリスク。
- ADL(日常生活動作)の自立度の差: 利用者によって身体能力や介助の必要度が異なるため、個別の状況に合わせた感染対策の徹底が難しい。
- 短期入所・通所サービスの利用: 短期入所や通所サービスを利用する方は、施設外で感染者と接触する機会が多く、施設内に病原体を持ち込むリスクが高い。送迎時の密閉空間での感染リスクも考慮する必要がある。
2. 施設運営・環境面での課題
- 「生活の場」としての側面: 病院とは異なり「生活の場」であるため、利用者のQOL(生活の質)を維持しながら、どこまで厳格な感染対策を行うかのバランスが難しい。
- 限られたスペース: 職員の休憩場所や更衣室、仮眠スペースなどが十分に確保されておらず感染リスクが高まる。
- 換気対策: 換気の悪い密閉空間での感染拡大リスクがあるため、居室、ロビー、食堂、リハビリ室など、複数の人間が滞在するすべての場所での適切な換気が課題。
- 物品の管理・消毒: 尿器などのケア用品の個人専用化や、共用物品の適切な洗浄・消毒の徹底が求められる。
- 消毒剤の適切な使用: 空間除菌グッズの利用や消毒剤の噴霧など、科学的根拠が不明瞭な対策が誤って行われる場合がある。
3. 職員体制・教育に関する課題
- 職員の健康管理: 職員自身が感染症に罹患した場合に休むことができる職場環境の整備が重要。
- 感染対策知識の習得と徹底: 職員の感染対策に関する知識や意識の差がある場合があり、標準予防策(スタンダード・プリコーション)や感染経路別予防策の徹底が課題。
- 人材不足: 介護現場の人材不足により感染対策に十分な人員を配置することが困難。
- 多職種連携: 医師、看護師、介護士、リハビリ専門職など、多職種が連携して感染対策に取り組む体制の強化が求めらる。
- 情報共有: 感染対策の実態把握が十分でない場合や、管理者と現場職員との間の情報共有が不足している場合がある。

ここが一番の課題やったな。なんせ介護職員がおらん。ただでさえ少ないのに感染してさらに離脱。
4. 外部連携に関する課題
- 協力医療機関との連携: 感染者が発生した場合に、診療を行う協力医療機関(配置医師や自施設医師を含む)の確保状況に施設間で差が見られ対応が困難な例もある。
- 感染制御専門家からの支援: 感染制御の専門家による継続的な支援体制の整備が重要。
- 行政との連携: 地域における感染症発生状況の把握や、行政からの最新情報の入手、指導など、行政との連携も重要。

認知療養棟ならではの課題
1. 認知症の特性による行動上の課題
- 感染対策行動の理解・実施の困難さ:
- マスク着用: マスクを外してしまう、着けられない、口元の表情が見えず不安や混乱を招く、呼吸器疾患があるなど、マスクを着用し続けることが困難な利用者が非常に多い。
- 手指衛生: 手洗いやアルコール消毒の必要性を理解できない。適切な手洗いの動作ができない。手指消毒剤を誤飲するリスクがある。
- ソーシャルディスタンス: 他者との適切な距離を保つことが難しい。興奮して職員や他の利用者との距離が近くなる。
- 身体拘束・行動制限: 感染対策のために行動制限を行うと、利用者の認知機能の低下を招いたり、BPSD(行動・心理症状)が悪化する可能性。施錠や拘束は虐待につながるリスクもはらんでいる。
- 症状の訴えの困難さ:
- 発熱や咳などの感染初期症状を自身で訴えることが難しいため、発見が遅れ感染拡大のリスクが高まる。
- 不穏や興奮、食欲不振、活動性の低下など、非典型的な症状で感染症を発症することがある。
- 環境への適応困難:
- 新しい環境や見慣れないPPEを着用した職員に不安を感じ、不穏や興奮を引き起こす。
- 個室への隔離が必要になった場合、環境の変化に戸惑い落ち着きを失う。

めちゃくちゃストレスやな。そりゃ、不穏にもなるやろ?

ゾーニングでバリケード設置するけど、普通に乗り越えてくるぞ。乗り越えるだけならまだしも、普通に破壊してくるからな。ベッド柵もってバリケード叩き割ってくるぞ。どこの世紀末やねんって感じやな。まさに「ヒャッハー」やったわ。

「ヒャッハー」じゃねーよ。ケンシロウかラオウのどっちか呼んで来いよ。
2. 施設運営・環境面での課題
- 「生活の場」と感染対策のバランス: 認知症の利用者のQOL(生活の質)を維持しつつ、厳格な感染対策を行うことのバランスが非常に難しい。レクリエーションや交流の制限は認知機能や精神状態に悪影響を及ぼす可能性がある。
- 閉鎖的環境と換気: 認知症療養棟は徘徊防止などの目的で閉鎖的な構造になっていることが多く、換気が十分にできない場合がある。また、窓が開けられない、ドアが多いなどの構造的な問題も。
- 物品の管理: 消毒剤の設置場所や保管方法の配慮が必要。
- 多床室でのゾーニング: 個室が少ない場合、多床室での感染者と非感染者のゾーニングが困難であり感染拡大のリスクが高まる。

収集癖のある利用者も何人かいるからな。不用意に物品を置いておくと、一瞬で神隠しに合う。残数管理は大変やったわ。

全部ステーション管理ってわけにはいかんだろうしな。レッドゾーン用の物品設置はいるよな。
3. 職員体制・教育に関する課題
- 専門知識とスキルの不足: 認知症の特性を理解した上で利用者に合わせた感染対策を効果的に実施するための専門知識やスキルが職員に求められる。
- コミュニケーションの工夫: 認知症の利用者への感染対策の説明や促しには根気と工夫が必要。視覚的な情報や短い言葉、繰り返し伝えるなど、個別の対応が求められる。
- 職員の負担増: 認知症の個別対応は職員の業務負担が増大。人材不足の状況では十分な人員配置が困難。
- メンタルヘルスケア: 感染リスクに晒されながら、認知症の利用者へのケアを継続する職員の精神的負担も大きい。

精神力が低下すると明らかにおかしな行動をする職員がおってな。自分から感染しに行くんや。これはまたの機会にしようか。

逃げたいんやろ。感染すれば休めるからな。しかも文句ない理由でな。
4. 外部連携に関する課題
- 医療機関との連携: 感染者発生時に認知症の症状がある利用者の受け入れに消極的な医療機関がある。連携医療機関との事前の協力体制構築が重要。
- 家族への説明と理解: 面会制限など感染対策による家族への影響が大きいため、家族への丁寧な説明と理解を得ることが不可欠。
結論
無理よ。
認知療養棟+無症状の徘徊感染者=災害
無理やって…。
コメント